第146回:物流会社の荷主対応力

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第146回:物流会社の荷主対応力

2008年10月 3日

 今回は物流会社の営業担当者や所長クラスと、荷主との対応・接し方について述べることにする。

 私は、物流会社の各担当者の対応に常々、疑問を抱いており、教育やマナーが改善されなければ、パートナーどころか業者としても仕事がもらえない、それ以前の基礎ができていない、と痛感するのである。

 まずは要望や宿題、見積もり依頼などに対するスピードである。コンピューター業界や金融業界、その他提案型の営業を強化している業界では、そのリードタイムは7〜10日以内に対応する。しかし多くの物流会社は、そのスピード感が無く、1か月ほど空いてしまうことがしばしばある。

 それから、訪問に対するマナー意識も低いことが多い。車での訪問、それ自体は良いのであるが、一番止めやすいところに止めてしまう。

 他業界の営業マンは最も止めにくいところに止め、先方の迷惑や業務の邪魔にならないように配慮するということを、会社や上司から教えられている。
 


 次に名刺の出し方。基本は先に相手に自分の名刺を取ってもらうように努力し、名刺入れを添えて渡すのだが、これもままならない。

 そのほか、話し合いでメモを取る習慣もどちらかと言えばない。コミュニケーション、意思疎通を図るのは良いが、慣れ慣れしく接することとは、似て非なるものである。

 異業種から物流会社の営業や管理職に転職した場合は、このようなケースは少ない。現場からのたたき上げで管理・折衝業務に携わるようになった社員に多く見られる。

 少々細かな点に触れているように思われるかもしれないが、物流会社として他業界より多くの取引額を扱うこと、荷主の要望や依頼に早急に応えるスピード、プロとしての仕事意識、限りなく「パートナー」として付き合う関係を築き上げるためには、第一印象が重要だ。

 会社の顔とも呼べる各担当者の荷主との対応・接し方の基本ができていなければ、物流会社はいつまでも「業者」から脱皮できないのである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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