第143回:人手不足時代に生きる

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第143回:人手不足時代に生きる

2008年9月12日

 全国的に、そして企業全般に人手不足による影響が大きく出始めている。就労者は、より条件のよい企業に転職し、欠員が出た企業は、その補充さえままならない。

 「仕事はあれど、人がいないため対応できない」という会社をあちこちで見かける。どの企業も優秀な人材やドライバーがほしいのは当然だが、いまやそんなぜいたくを言っていられないほど人が集まらない。

 また、そのことを「世の中全体の人手不足」という周辺環境を理由にしている会社が多いが、条件のよい会社には転職者が集まっていることも事実なのである。

 私が訪問する多くの会社は、給与体系や福利厚生などを変えられないままでいる。昨今の採用状況を説明し、改定することを勧めても「うちは昔からこの体系でずっとやってきているので、すぐには変えられない」という返事が返ってくる。

 しかし、例えば「通勤手当」などは「全額支給」とする会社が増えているし、「転勤あり」でも本人との「話し合いにより」と付け足している会社も増えてきた。まず、見直すべきポイントは以下の3つであろう。
 


 ①採用媒体。これはチラシや雑誌などの紙媒体中心から携帯サイトの活用をお薦めする。携帯電話をはじめとする情報過多の時代には、どこにいても手軽に必要な情報が得られることが、求職者にとっては、もっとも有益である。また、管理者クラスの採用には紹介会社の活用という方法もある。

 ②求人条件の抜本的な見直し。求職者は、「通勤手当」「転勤」「試用期間」の部分を重要視する。そして「給料」。これは高く設定できるにこしたことはないが、大切なのは同業他社を下回らないことである。

 ③キャリアパス。これは優秀な人材や仕事を一定レベルこなせる人材を辞めさせないシクミである。どのような昇給・昇格体系と業務内容、管理(責任)内容が準備されているかを入社前に説明しておく必要がある。そして必要なのが、いくら年収が上がっても大きな責任を負いたくないという人材が増えていることに備える制度。具体的には「管理業務はしたくない。現場が好きで、ずっとお山の大将でいたい」という人材には、そのための仕事を創らなければならない。

 いずれにせよ、この3つのポイントは人手不足時代に生き残っていくためには死活問題である。みなさんの募集内容は今の時世に合っていますか。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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