第142回:コンプライアンス時代に生きる

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第142回:コンプライアンス時代に生きる

2008年9月 5日

  コンプライアンス(法令順守)という言葉を知らない人は、もういないくらい世の中に強く浸透している。物流業はもともと、「安全対策」「事故撲滅」「労務管理」などのテーマから、コンプライアンスについては他業界よりも大きな注意と努力を払ってきた。

 そして、重大事故の発生や法令違反に物流会社が深くかかわっているケースが多いことなどから、一層の順守徹底が求められている。

そのほかにも、規制強化や管理強化の動きは絶えない。一部センター運営における管理技術者の届け出や車両点検に加え、米国9・11のテロ事件以降、輸出入品の取り扱いと通関手続きの厳重化、また、現場サイドでは社員・パート・契約社員・派遣社員といった現場の多重労働における管理など、多くの法令と向き合って業務をこなしていかなければならない。

また、これらの管理に関しては、当然コストがかかってくる。ある企業では「コンプライアンスコスト」として売り上げの2.5%を経費計上している。
 


 このように、「コンプライアンスの重要性を重視するとコストがかかる」ということも、いまや荷主・物流企業とも認識されている。そのことによって「コンプライアンスコスト」を原価に組み入れる、また見積書の項目に一行加えることが、徐々にではあるが容認する動きが出てきている。

 従来の「管理料」はヒトに対する管理コストや事務手数料、情報処理費などの色合いが濃かったが、この「コンプライアンスコスト」はお互いに法令を守っていくための許認可取得、従業員への教育、情報の迅速な共有化などにかかるコストである。

 みなさんも、もう一度現在のコストや料金内容を見直してはいかがだろう。そして、「コンプライアンス」がコスト負担になっているのであれば、得意先にその旨を提示してもらいたい。

 なぜなら、このコンプライアンスの本質は依頼する得意先と、それを受けている受託業者、両方に責任がかかっているものであるからである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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