第137回:経営者の仕事

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第137回:経営者の仕事

2008年8月 1日

 経営者には様々な仕事がある。「これではいけない」と思いながら、現業職と兼務しながら経営を行っている社長、先代の会社を「守る」ということに専念している社長、脱サラをして「一旗挙げる」と意気込んで会社を立ち上げて間もない社長など、これも多種多様である。

 一般のビジネス書などには「経営ビジョンをつくること」が第一に掲げられており、経営計画はもとより、「営業戦略が必要である」とか、「資金計画を作っていますか」など、あるべき姿を提示している。確かに、これらは間違ってはいないし、ある一定の規模になれば必要不可欠なことでもある。

 しかし、それ以前に「経営者の仕事」として、もっと重要なことがある。それは「会社をつぶさない」ことである。

 次元が違う話だと指摘される読者もおられるだろうが、昨今、この原点を直視できず、表面的な経営に力を注ぐ経営者も少なくない。
 


 例えば、目的を明確にできないままのシステム開発や、実体の伴わない認証取得などが挙げられる。こういった経営者の共通点は、当然とも言うべく「倒産の危機」に遭遇したことがないということである。

 会社の「衰退」の種は「発展」期に既につくられるという。また、その「衰退」のスピードは徐々に加速していき、ブレーキが効かなくなっていく。経営者は「そんなはずはない」と認識し、状況を自覚するまでに、どんどんスピードを上げていってしまうからタチが悪い。

 「会社がつぶれる」ことの直接の原因として(1)資金のショート(2)行政処分などによる長期的な営業停止(3)経営者の病気・死亡(4)売り上げの約75%を超える荷主からの取引停止──などが挙げられる。会社を成長、発展させるシクミづくりと会社をつぶさないシカケづくりのバランスが重要である。

 皆さん、会社をつぶさないシカケを3つ挙げることができますか。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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