第135回:本当に息子に会社を継がせるべきか

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第135回:本当に息子に会社を継がせるべきか

2008年7月18日

 「本当に息子に会社を継がせるべきか」。それは息子ありきではなく、経営者ありきであると私は思う。また世間一般の先例からも、それは「経営者ありき」と言えるのではないだろうか。これは娘婿を含む親戚、いわゆる同族すべても同様であると思う。

 特にオーナー創業者の後を継ぐのは困難をきわめる。ワンマンかつ強力なリーダーシップと強靭な気力、体力の持ち主のトップの後を継ぐとなれば、どんな優秀な人物でも影を潜めてしまうのではないだろうか。

 このような多くの2代目が、先代に「勝てない」「違いを生み出せない」「古参組が言う事を聞いてくれない」と頭を抱えている。

 また、先代が健在な会社では「代表取締役は名だけで、すべては会長の一声で決まってしまう」などと板挟みになり、ストレスを感じ、自分の存在感を見いだせないでいる。
 


 しかし一方で、うまく承継している会社もある。そんな会社の共通点は①先代の番頭役が2代目にも仕え、サポートしている②2代目自身、先代とは違った実力の持ち主で「父」は「父」、「俺」は「俺」のやり方があると割り切り、自分にあった経営方法を常に模索している──である。

 いずれにせよ、息子ありき、同族ありきでは事業は存続しない。財産の相続を目的としても、それもままならない時代になった。

 資本と経営は分離し、経営のプロという職業が成立した現代ではM&Aを含め、事業承継の選択肢は若干ながら増えた。

 このように継ぐ能力、継ぐ意志のない息子にトップダウンで会社を継がせる時代は終わったが、皆さんは今の会社を誰に継がせるつもりですか。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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