第132回:追客を諦めない

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第132回:追客を諦めない

2008年6月27日

 昨今では物流会社の営業活動も、提案営業やコンサルティング営業などが、大手物流子会社を中心に展開されるようになった。しかし、その結果や業績内容は勝ち組と負け組にどうしても分かれてしまう。

 「提案営業」や「コンサルティング営業」は、どうしてもカタチから入ってしまいがちになる。しかし、要望やニーズの確認、外注業務の料金交渉、自社運営体制の構築、見積書の提出などの営業活動の基本は、通常の営業と何ら変わらないのである。

 物流業に限らず、営業力の強い会社には1つの特徴がある。それは「追客」である。「追客力」の有無が営業の勝ち組み、負け組みを決めると言っても良いであろう。

 「追客」には(1)マメさ(2)タイミング(3)見極め(4)次へアクション提案──などの要素に分解される。

 (1)マメさに関しては連絡のやり取りや再訪問の頻度ということであるが、これは思いつきで行ってはならない。提案を行った日や見積書を提出した時点で、その検討結果を「伺う日」を設定しておかなければならない。思いつきの連絡や訪問は、そのことが相手側にはよく伝わってしまう。それゆえ計画的に次の連絡、訪問を実行することが重要である。
 


 (2)タイミングは検討期間を十分に消化しているかが重要であり、その時期から早くても遅くても受注のタイミングとしては良いとは言えない。従って、「いつ頃返事がわかりますか」と提案及び提出日時を聞いておく必要がある。

 (3)見極めは、1人の判断ではなく上司や部内の意見を聞いて判断する必要がある。要するに今後、追客をするか否かを決めるということである。基本は「回答が出るまで」追客することであるが、回答が長期化したり、保留になることが多い。このような案件は年賀状や暑中見舞いなどの時節の御礼を欠かしてはならない。弊社のクライアント先では1年3か月ぶりにある荷主から連絡が入り、「保留となっていた例の件、動き出したので打ち合わせを行いたい」と連絡が入り、案件が復活したケースがある。会社も担当者も案件から除外扱いしていたため「棚からぼた餅」であった。

 (4)次へのアクション提案は先方が迷っているようであれば、現場視察や修正提案、再見積もりなどにより荷主の納得に近づくアプローチを行うことである。

 このように追客力は重要である。しつこさが強く出てしまうと時々、荷主側は引いてしまうが、せめて我々のことを忘れられないように諦めずに行動することが肝要だと私は思う。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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