第13回:物流現場の低いモチベーション

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第13回:物流現場の低いモチベーション

2006年5月 4日

 B社は年商約40億円の、地場に密着した運送会社である。ここ数年来の不況の煽りを受け、給与カット・リストラを繰り返し、なんとか倒産の危機を免れてきた。
 しかし、この代償はあまりにも大きく、多くの優秀なメンバーがB社を去って行った。残ったメンバーも一人ひとりに掛かる負荷は増えたにも関わらず、給与はカットされる一方であったため、モチベーションは低下してしまっていた。このB社の建て直しが今回のテーマである。


まず、改善の対象となる営業所(C営業所)を視察した。その営業所は所長を始め管理職3名、現場作業員15名、ドライバー約40名、事務員5名であった。現場を視察して気付いた点は次の通りである。
1)従業員に覇気が無い
2)車輌の歯止めや清掃が徹底されていない
3)荷物の破損が多い
 1については、事前にモチベーションが低くなっているということを聞いていたため、そう見えたのかもしれないが、従業員の行動はダラダラしているように感じられた。また、現場内には「挨拶・5Sの徹底」という貼り紙があるにも関わらず、ほとんど挨拶されなかったこともこのように感じた原因であると考えられる。
 2については、新たに車輌を購入する資金が無かったため、車輌自体はかなり年季の入ったものであることは事前に分かっていたが、それを差し引いても汚い車輌が目立った。車輌に限らず、「古い」と「汚い」はイコールでないことは認識しなければならない。残念ながらC営業所においては「古い」イコール「汚い」が成り立ってしまっていた。また、「歯止めの徹底」は貼り紙で指示されていたが、守られていない車輌が多く見受けられた。
 3については、まず、その原因としてレイアウトラインが守られていないことが挙げられる。そのため、フォークリフトが通る通路が確保されておらず、結果として破損が多く発生してしまっていた。また、仕分けで使用する台車も、使用後にしっかりと決められた場所に置かないため、レイアウトラインからはみ出してしまい、その都度、フォークリフトの運転者が台車を移動させ、再度フォークリフトを運]する、ということを繰り返していた。これについても現場内には「定物定置の徹底」という貼り紙が出されていた。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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