第128回:傭車管理はできていますか?

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第128回:傭車管理はできていますか?

2008年5月30日

 傭車管理に関して基本的なことができている会社、また、分かってはいても徹底できている会社は少ない。

 特に、荷主のルート配送や物流子会社での管理はずさんな場合が多い。物流会社の傭車管理でも、「協力会社支援」という形で同業者や中小物流会社を引っ張っていかなければならない。

 しかし、その多くは配車担当者のやり取りが中心で、実態は「丸投げ」という会社が多い。

 そもそも傭車管理、協力会社管理とは何か。「サービスレベルの維持」「情報の共有化」「報・連・相の徹底」が重要な要素であることは周知の通りである。しかし、その中身は表面的な内容にとどまっているのが実情だ。

 たとえば、着荷主からの要望やクレームは元請け会社にはなかなか耳に入らない。また、現場での些細な事故、特に現場ドライバー自身が対処できるレベルの事故は現場でもみ消されている。

 倉庫やセンター、自社便の管理に追いかけられて、傭車、協力会社の管理まで手が回っていない。
 


 だが、いざ何か問題が発生すれば、傭車・協力会社に関係なく、依頼主である自社に対して責任とペナルティがかかってくることになる。

 それよりも怖いのは、納品先間違いや数量間違いなどサービスレベルが下がることで、信用までが低下することである。

 また最近、私が最も恐れていることは、専属傭車などのドライバーの運転免許証の点数や事故歴を全く把握していない会社が多いことである。

 頻繁に使用される2、3、4トン車両は今まで普通免許で乗れたため、休日に起こした違反内容などは報告がない限りわからない。

 したがって、定期的に調べる必要がある。「自動車安全運転センター」へ問い合わせをすれば、個人情報保護に対する同意文にサインをして、1件当たり800円前後で照会に応じてくれる。

 荷主からは同レベルの対応を求められる傭車・協力会社の業務には、もっと干渉しなければならない。

 「管理」という視点ではなく「情報の共有化」という視点で横乗りを実施したり、協力会社ミーティングを定期的に行うなど、「お願い」ばかりをするのではなく、いかに彼らをうまく活用し、彼らにもメリットを産み出せるかを考えなければならない。時には信賞必罰を共に味わうことも大切かもしれない。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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