第127回:社員教育のキーマンは誰だ!?

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第127回:社員教育のキーマンは誰だ!?

2008年5月23日

 昨今、社員教育に力を入れる物流会社が増えている。これは人材不足、人手不足を背景に、内部戦力を強化することが得策であると判断し、人材の「外部調達路線」から「内部戦力育成路線」への転換が進んでいる結果だと思われる。

 しかし、その内部戦力を育成する術が確立されていない会社が多い。育成する対象、課題、テーマの設定、開催期間、時期といった概略は作れるものの、主要な①「育成する手段」②「成長度合いを図る方法」③「育成後のフォロー体制」──この3点については暗中模索といった状況である。

 ①の「育成する手段」については、当然ながらOJTだけではヒトは育たないため、座学研修や他社見学が不可欠である。

 ②の「成長の度合いを図る方法」は、研修後のアンケートやレポートの提出はもちろんのこと、一人ひとり面談を行い、「何を吸収したか」「どのように生かすか」「将来どのような現場や会社にしたいのか」などを直接話し合い、意識の確認と交換をすることが必要である。
 


 ③の「育成後のフォロー体制」は、各社とも特にこれと言った妙案を持たない状態であるが、基本的には、育成の進め方が良ければおのずと結果は表れてくる。営業であれば「目標売り上げの達成率」や「受注件数」、現場であれば「商品事故件数の減少」「誤出荷の減少」「改善テーマの進捗具合」などに表れる。

 育成の進め方が本人にとって消化不良になっている場合は、対象者一人ひとりに面倒見役としてサポーターをつけることをお勧めする。

 これは、組織上の上司でないことが大切である。直接の上司でない者がサポーターを務め、普段はなかなか言えない課題や悩みを確実に吸い上げ、指導を行うのが理想。

 また、育成によって成長が見込める、あるいは成長を遂げている人材には、社内研修での講師役を務めてもらう。皆の前に出て話すことが最も勉強になるからである。

 最後に、育成の発案者、コンセプトをつくる者、このような人材を創りたいと思いを描く者、またその育成の進め方にこだわる者、軌道修正をする者、それはトップであるあなたの仕事です。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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