第126回:コンプライアンス、内部統制に潰されるな

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第126回:コンプライアンス、内部統制に潰されるな

2008年5月16日

 道交法改正から、物流業には向かい風が吹いている。偽装請負、駐停車禁止などのコンプライアンス(法令順守)問題、中型免許制度など、物流業界の経営環境は法的規制ラッシュになっている。

 昔のことを言えば、許認可事業であったものが届け出制にシフトし、新規参入組が急増した。

 現在、全国に約六万社とされている物流会社を、これらの規制で「優秀生」と「そうでない会社」とに選別していこうということであるが、しかしながら、これらに押しつぶされてはならない。

 私は、これらの法規制を無視あるいは違反していこうとを言っているのではない。むしろ、これらのことは与えられた環境条件として厳守していく必要があると強く認識している。

 ただ、これらの法規制が大きな声を発するあまり、萎縮して新しい事柄や提案、新事業などに踏み出せない会社があまりにも多くなった。
 


 中には、在庫改善やシステム構築、意思決定のプロセスにおいて、「内部統制の問題があって」と「できない言い訳」にしている責任者もいる。我々は与えられたカードで勝負しなければならず、環境適応こそ経営の最重要課題である。

 「コンプライアンス」も「内部統制」も、その中身の大半は以前から言われ続けていることであり、当たり前の経営・運営を行っている会社は、何も臆することはない。見直しや再チェックを強いられているだけに過ぎない。

 最も重要なのは、これらのことをトップが再認識すること。担当責任者は頭を使い、情報収集のための足を使ってしっかり汗をかき、自社のやるべきことと法規制を照らし合わせること。

 そして、どうすれば法的解決ができ、なおかつ自社のあるべき姿になれるかについて、真剣に考えているのかにかかっている。

 そこには「AorB」の考え方ではなく「AandB」の考えが必要であり、わからなければ管轄行政に通って質問し、「これでOKですよ」と行政から承諾を得るぐらいの粘りが必要なのである。

 法規制に「過剰反応」するのではなく、本来のやるべき事に時間とエネルギーを投下していただきたい。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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