第124回:現場のスターをつくる

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第124回:現場のスターをつくる

2008年5月 2日

 物流現場における業務は地味で、あたり前のことが運営されなければならない宿命を持っている。その現場が、社会的に大きくクローズアップされることも少ない。

 また、この人手不足の中、「物流」は新卒者が目を向けない不人気な業界である。

 しかしながら、業務の実態は大きく異なる。暑い真夏に冷たいドリンクが飲めるのも、注文しておいた書籍が届くのも、この「物流」あってのこと。

 「縁の下の力持ち」ともよく言われるが、この景気拡大・人手不足の中、このままでは物流業界が成長、そして進化を遂げることは難しい。

 一般的に、現場管理職は受け身的な発想の傾向が強く、従業員や現場スタッフに対する保護主義の考えが強い。

 今後、我々は業界の体質や考え方、また現場で働く人たちの働きぶりを変えていかなければ、優秀な人材には相手にされない業界として取り残されていくだろう。
 


 そういう意味でも「社内スター」「現場のスター」を輩出していくことが求められている。「あんな上司になりたい」「あの上司の下で働きたい」「あの人がいる職場で働きたい」と言われる人材を育成し、彼らに光を当てるということを、会社が意識的に推し進めなければならない。

 「初の年収1000万プレーヤー」「最年少所長」や「月間MVP所長」など、決してお金の評価だけでなく、会社の枠を出て、できれば業界も一緒になって評価をしていく必要がある。

 ある物流会社は年に1回、このような大会を開き、主要荷主の社長も毎年参加している。荷主から表彰された人は、社内から評価されるときよりも違う味わいを持ったであろう。

 また、インセンティブに関しても、お金に執着しない方が良い場合も多い。たとえば報奨金なら、パチンコや飲み代に消えてしまうが、賞状やトロフィーなどは家に持ち帰る。賞状も、額縁をつけてあげると家のどこかに飾るだろう。それが子供たちや妻に見られ、仕事の理解にもつながる。

 「現場のスターづくり」の秘訣は、「人材が育つかどうか」ではなく、「育った人材を受け入れる環境が会社にあるかどうか」ということにかかっている。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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