第122回:人事部なんていらない

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第122回:人事部なんていらない

2008年4月18日

 中小・中堅物流企業の「人事部」ほど不要なものはない。

 大手なら必然的に仕事が分業化され、採用・募集・待遇決定などの業務は、権限の委譲を受けた「人事部」が進めていかなければならないが、それ以外の中小・中堅企業では、社長もしくは社長に準ずる人物が、その業務を進めなければならないと思っている。

 以前も記したことがあるが、組織がまだ醸成されていない会社では、自社に必要な人物や能力というものは、トップしかその価値判断ができない。

 また、保身を図る管理職が存在する会社では、必ずといってよいほど、「優秀な人材」は採用されない。
 


 なぜなら、採用した人物による混乱と下克上を恐れて安全策を採るからであり、従って「やや優秀」という人物が歓迎される傾向にある。

 そういう意味では、「総務部」「管理部」という部署で、「人事部」にあたる業務が行われている場合も同様である。

 基本的に、サラリーマンには「人事」の本質的な業務は向いていないのである。

 人材を「採る」のも「育てる」のも、人事の仕事であるが、規程に基づいた四角四面な運営、ルールに従った進め方や評価項目だけでは、本当に優秀な人材、特に潜在能力のある人材は採れないし、彼らのレベルアップも困難である。
 
 一人ひとりを把握したトップ自らが、これらの業務に介入しなければ、社員の質と組織力は必ず低下する。

 私はこういった意味で、会社が大きくなっても可能な限り、「人事部」は作らない方が良いと思うし、もし必要ならば、トップの考えや仕事が良く見える「社長室」で、これらの業務を進めるべきであると思っている。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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