第121回:センター長、所長の管理能力向上が生き残りの道

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第121回:センター長、所長の管理能力向上が生き残りの道

2008年4月11日

 私は「センター長、所長の能力・資質で運営の90%が決まる」と言っているが、この傾向がまた強くなってきている。

 この分かれ目は、優秀な人材を採用できるかどうか、あるいは、優秀とは言えない人材でも、入社後に彼らのキャリアパスプランを作り、節目節目での「教育」を施すことができているかどうかに尽きる。

 物流業界の場合、「優秀」と言える人材がなかなか入ってこないため、残念ながら後者のパターンを選ばざるを得ない。従って、我々は後者の「教育を施す」という点で早急に手を打たなければならない。

 教育が重要な理由として、まず「現場の人員管理が煩雑であること」が挙げられる。荷主企業社員、物流子会社社員、業務請負社員、パート・アルバイト、派遣スタッフと、現場が多層労働になっている状況の中で、指示・命令系統の伝達をいかに速くかつ正確にするか、そして、何と言ってもコミュニケーションの図り方に戸惑っている管理職が非常に多い。
 


この場合、派遣会社にも理解と協力を得て、社員、パート・アルバイト、派遣スタッフという垣根を作らずに指導・教育を行うことと、立ち話の「会話」レベルではなく、六か月に一回や三か月に一回の割合で、一人あたり六十分程度を用いて「対話」を実施することが重要である。四十分はスタッフの話を聞くことに徹底し、彼らの意見や悩んでいることなどを吸い上げ、残り二十分は当方の考えや意見を伝えるのである。
 教育が重要な理由の2つ目は、「『改善ノウハウ』が、荷主からサービスとして求められていること」である。

 支払い運賃や作業料金に、荷主企業と物流会社の双方が限界を感じている現在は、「シクミによるコストダウン」を模索されている。

 そこでセンター長や所長は、今までの考え方や方法だけでは、それが不可能であることを実感しているのである。

 他の成功事例、失敗事例、そして現場での新しい着眼点など、体系的かつ実践的な改善ノウハウの習得が求められている。皆さんの会社のセンター長や所長はこれらのことで行き詰まっていませんか。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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