第116回:採用は誰が行うのか

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第116回:採用は誰が行うのか

2008年3月 7日

 採用は誰が行うのか? それはトップ自ら行うことが理想だ。

 しかし、トップは多忙を極めるため、会社が大きくなっていく過程で、その権限を総務担当者などに移管せざるを得ない。ある会社の社長は、「なかなか応募がないし、優秀な人材が入ってこない」と嘆いていた。

 話をよく聞くと、ホームページ経由で結構な応募が来ているという。実は総務部で独自の判断をし、合否の決定を行っていたのだが、それをトップは知らなかったのだ。

 経営者トップの「欲しい人材」と中間管理職の「欲しい人材」への見方は違う。特に、経営意識が高いと言えない中間管理職は保身もあり、自分より優秀な人材、高給な人材、そして異業種から来た人材の選考は手ごわい業務となり、書類選考の段階で不合格となることも多い。

 また、会社を数か所変わっている人材は、一般的に「長続きしない」と判断されることが多いが、物流業界の人材は板前さんと同じように、様々な物流会社や現場での経験がノウハウになっている場合がある。この見極めも難しい。

 まずは面接を行うこと。そして人物本位で話し合いを行うことが重要だ。
 


 それと、トップは人材の重要性を再認識し、夕刻や休日など自分の体が空く日時に面接を設定し、面接の後半や前半だけでも、必ず求職者と会うようにすることが重要。

 「夕刻や休日の面接は求職者が嫌がるだろう」「無理ではないか」と思い、設定しない会社があるが、むしろ就業中の人材や転職に意欲のある人材は、これらの日時を好む傾向もある。これもまた選考のプロセスである。

 また、様々な人材紹介会社や求人媒体とつき合う会社もあるが、これからの人材不足時代は、このような受け身の態勢だけでは「本当に欲しい」と思う人材は来ない。「本当に欲しい」と思われる人材は、就業中に次の職場から声がかかっている。

 トップの仕事として優秀な人材の確保は不可欠である。ひとりで30人、50人の管理職の力量をカバーする優秀な人材もいる。ホテル業界、外食チェーン業界では、このようなスカウト合戦が日々行われている。

 いずれにせよ、優秀な人材の採用・獲得は他人任せにせず、トップ自ら足を運んで進めるべきである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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