第110回:繁忙期 真っ只中!

連載トップへ

第110回:繁忙期 真っ只中!

2008年1月25日

 私の現場経験では、11月23日の勤労感謝の日が、皮肉にも物量が1年で最も多い日と刻み込まれている。

 米国ではソニーのPS3や任天堂のWiiが発売され、クリスマス商戦への布石となっている。

 景気好調の中、物流現場でも想像以上の混乱が予測される。みなさんの物流現場では繁忙期に向けて準備ができているのだろうか。

 繁忙期対策、それは突き詰めると「人海戦術」と「臨機応変」の2つの戦略に絞られる。残念ながら、この時期だけはテクニカルなやり方はどんな高いノウハウを持っている物流会社でも通用しない。

 まず1つは、「旗振り」と言われる現場リーダーの存在。パート・アルバイトや派遣スタッフに的確な指示を出し、次の作業を伝えることが主な役割となる。

 センター長や所長がいくら優秀であっても、その考えや優先順位、最終到達点などを理解した「旗振り」が不在もしくは役不足であれば、現場は機能しない。


 そして、もう1つは多能工スタッフか多能班グループの存在だ。

 彼らは1人または一グループで最低3つのポジションやラインに対応することができる特殊部隊である。

 彼らは基本的にイレギュラーな業務、そして、業務パンク状態や応援が必要とされるポジションへサポートに回る。彼らの存在により、繁忙期中の休み、休憩時間の確保、波動の質的吸収がなされる。

 そして、最後に重要なのがセンター長、所長の人繰り(人員計画)と車繰り(配車計画)である。基本的に繁忙期というのは、どの会社も人と車が不足する。その中で自社に必要な人と車を確保するのだから、日ごろの彼らの実力がはっきりと浮き上がる。

 日々の傭車先とのコミュニケーション、外注先への最低売り上げラインの維持、支払いサイトなどである。

 また、同様にパート・アルバイトとのコミュニケーション、信賞必罰やインセンティブ、何と言っても最後は人間的魅力の有無である。「どうせ、ほかの仕事でもきついんだから、同じきつさなら、あの人の職場で働きたい」と思われるか否かである。

 これらの3つの対処方法は、すぐには養えないモノばかりである。

 閑散期にどんな準備をしているのか、改善をしているのか、教育をしているのか、コミュニケーションを取っているかで繁忙期の運営が決まってしまう。次の閑散期には、しっかりこの点を理解し、繁忙期に耐え得る現場づくりを推し進めたい。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

関連書籍のご案内

GoogleAD