第11回:荷主からのクレーム内容を調査

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第11回:荷主からのクレーム内容を調査

2006年4月30日

建築資材卸企業B社にて建築資材の納品だけでなく、空調などの取り付けノウハウを身につけたR物流は、地元GMS「D社」の家電納品・取り付け・配線業務を受注した。
ところが、「D社」の納品業務を開始早々、問題が発生した。
 新社屋に建て直したばかりのR物流本社にいたY社長宛てに「D社」の担当者から電話が入った。
「納品先のお客様からクレームが多数来ているよよ! ウチは地元密着型だからサービスと信用が第一なんだ。早急に対処してもらわないと困るよ!」。


クレームの内容は次の通りである。

・ドライバーの愛想が悪い
・挨拶ができない
・汚れた作業服で訪問する

 納品や取り付けについてのクレームは1件もなかったという。
 Y社長はこの時点で、「D社」の顧客に対してはこれまでのサービスでは通用しないことを痛感した。これまで、建築資材の現場納品や取り付け作業を中心に行ってきたR物流ドライバーは、「愛想が悪い」「挨拶ができていない」などのクレームを受けたことはなかった。ましてや「作業服が汚い」というクレームなど予想もしていなかった。
 それもそのはずである。顧客は現場で働く職人であることが多く、必要な部材・部品を要求した数や時間通りに納品することが最大のサービスと捉えていた。ところが、「D社」の顧客である最終消費者となると話は別である。顧客はR物流のドライバーの態度や行動を、「D社」の接客・サービスとして捉える。ましてや個人宅がメインとなれば、愛想、挨拶、身なりを気にする人がいても不思議ではない。
 Y社長は早急に改善策を打った。まず、襟付き・ボタンシャツの制服を作ることで服装の統一を図り、清潔感をアピールした。さらに、コンサルタントを迎え入れて「サービスドライバー研修」を開催した。挨拶、笑顔(表情)、御用聞きなどを一から叩き込んだのである。忙しい最中の厳しい研修に、脱落者も無しというわけにはいかなかった。
 しかし、その効果もあってか、クレームが減少するだけでなく、その接客の良さで高い評判を得るようになってきたのである。ドライバー各人もサービスを提供しているという意識が高まり、より高いサービスを追求するような意識改革に成功した。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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