第104回:ナイものねだりの転職活動

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第104回:ナイものねだりの転職活動

2007年12月 8日

今回は求職者側の転職活動のミスマッチを、我々が行っている物流専門の人材サービスのカウンセリングなどからお伝えしよう。

 人手不足、人材不足のいま、物流企業や荷主の物流関連部署からの求人の問い合わせが増えている。

我々のところへ求人依頼がある企業は、他の総合人材紹介会社や官公関連の人材銀行、チラシ、雑誌で募集しても採用できない会社が多い。

そのためか、必要な人材はある程度、調整しなければならないと、求人内容を変更して依頼される企業が増えてきた。

そういう意味では世間の相場感を持っていると言えるかもしれない。


 しかし求職者の方は、そうとは言い切れない人がいる。

そういう求職者は人材不足に対して「強くアピールする」ことと「そんな理想の会社はない」という境目がわかっていない場合が多い。

 例えば、「現場改善実績あり」「転勤不可」「週休2日、残業少々」「知名度がある」「職種問わず」などは、ナイものねだりの転職探しと言える。

 前の会社で「QCサークルでコスト削減10%に貢献」と言われても、現場1つだけの経験では、改善実績とは言えないのではないか。
物流は百社百様であるから、せめて2、3か所の改善経験が欲しい。

「転勤不可」これは物流マンに見られる強い傾向だ。

商社、保険、金融業界などは転勤することで、自分の価値を上げていると言っても過言ではない。

全国展開の優良企業で、安定している会社や物流子会社などでは転勤はつきものだし、海運業界などはなおさらである。

 また、休みが多く、遅くまで働けないのであれば、物流業界は成り立たない。

「知名度」では物流業は基幹産業ながら黒子的存在のため、宅配会社、引越会社以外は、知名度の必要性はあまり重要ではない。

 そして、最後に自分のやりたい仕事があるのかどうかである。

「就社」なのか「就職」なのかの違いだ。

「これが出来る」「これが得意です」というものがなければ、そもそも人材とは言い切れない。

 と、今度は採用担当者から嘆きが聞こえてくる。

いくら人材不足の時代と言えども「私に、これを任せてもらえば大丈夫です」といった得意性、専門性を持つことと役職、年収、勤務地など、何かを犠牲にできる覚悟がなければ、受け入れる会社は見つからない。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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