第103回:ナイものねだりの採用活動

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第103回:ナイものねだりの採用活動

2007年11月16日

日本ロジファクトリーは、物流専門の人材紹介サービスを以前から行っているが、企業と求職者のミスマッチが後を絶たない。

原因の一つに、求人企業の(過度な)欲しい人物像と能力がある。

 例えば、「リーダーシップのある方」「大学卒」「筆記試験有り」「センター長、事業所長、年収500万円」「人員管理に長けた方」などである。

これらは、ほとんど「ナイものねだり」の求人内容と言える。

・リーダーシップがあれば、自分で独立して会社を興している。

・勉強が嫌いだから物流業界に入ったんだ。予算管理と達成、車と人の管理と事故処理をやって年収500万円じゃ、割が合わない。これなら新しい業界に飛び込んで1からやった方が将来性がある。

・人員管理ができるのなら、今回の募集人員くらい社内で見つけられなかったのか。

・ヒトの言うことを聞かず、やんちゃ坊主だったドライバーをどうやって管理するんだ

──などといったボヤキが、求人票を見た求職者から聞こえてくる。


 総じて求人企業は理想を求める。

これは当然のことであるが、この理想にこだわり続けるといつまで経ってもヒトは採用できない。

そんな物流会社がどれほど多いことか。

 就職人気のない物流業界、人手・人材不足の状況、優秀な人材は他の将来性のある業界に転身するか独立する。

仮に、業界に留まっていても稀有な存在であり、年収は1,000万円近くになるという現実を直視しなければならない。

 そして、この現実を直視したうえで理想の7─8割の人材を採用し、育てることしかない。

 また、追記すると「年齢40歳まででマネジメント経験のある方、改善実績のある方優遇」など、スーパーマンを求める会社がある。

物流業界で、これらのスキルがある人材は大半が40歳を超え、少なくとも45歳前後になってしまう。


人が採れなくては戦いには勝てない。

もう一度、採用内容、基準を見直してみてはいかがでしょう。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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