第102回:荷主に受け入れられる営業とは

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第102回:荷主に受け入れられる営業とは

2007年11月 9日

荷主に受け入れられる営業、それは安い運賃であろうか、それともすばらしい提案内容であろうか、答えはいずれもノーである。

前回も述べたが、我々は荷主企業の物流会社選考のお手伝いをよく行う。

 特にコンペティションのように、他社と比較する作業を行うと、荷主に「受け」の良い会社というのが浮かび上がってくる。

 当然、コスト重視であることは違いないが「安い運賃」が100%かというとそれは違うのである。

彼らは安かろう悪かろうのサービスと採算が合わず、途中撤退されることを避けたいと強く思っている。

 従って、決して高くない運賃というところに落ち着くことが多い。

ただし、運賃以外の面でその物流会社と付き合うメリットが見え、確信できることが前提となる。


 また、改善提案の内容そのものも重要である。

打ち上げ花火のように大風呂敷を広げるだけでは、かえって荷主側に不安を残させる。

 これには必ず、「具体性」を述べなければならない。

これらコストと提案内容にさほど違いが見られない場合、いよいよ選考は大詰めとなる。

ここで受け入れられる営業とは、次の二点があげられる。

(1)自社の仕事を何としてでも受注したいという「姿勢」
(2)指示どおりのフォーム、期日を守るという「厳粛性」である。

(1)は提案書に限らず、見積書1枚でも説明を加え丁寧な見積書を出す会社と、ぶっきらぼうに料金だけを書き込んだ見積書などがある。
(2)については物流会社側のスキル、能力が問われことも多い。

 例えば、見積書フォームには「個当たり運賃」と提示しているにもかかわらず、2トン、4トンの運賃など自社の都合、いわゆる自社運営を主軸にした金額が出されてしまうことなども非常に多い。

 荷主側は原価計算ができない会社と判断してしまう場合もある。

また情報収集遅れを理由に、期日までに見積書や提案書を提出できない会社は「ここに仕事を任せても、期日が守れない会社なら荷物が予定通りに着かないのでは」などと拡大解釈される。

 もう一度、見直してみよう。親切な営業ができているのかということ。

 そして「約束を守る」営業ができているのかということを。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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