第100回:名刺を活用できない物流会社

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第100回:名刺を活用できない物流会社

2007年10月12日

 物流業そのものは元来、自社のPR、宣伝が得意ではない。

 しかし、仕事をいただこうものなら、その得意でないPR、宣伝方法も克服していかなければならない。基本的な営業ツールを生かしきれていないことも実情である。

 特に、最も身近な「名刺」にも、その使い方に大きな財産が残っている。このコーナーでも取り上げているが、我々のクライアント先の物流会社には、ドライバーにも、名刺を持ってもらうよう強く薦めている。


 それ以外にも営業担当者や所長らが、しばしば使用する名刺にもさまざまな使い方がある。一つに名刺の裏面の有効利用がある。荷主から見れば「何ができる物流会社」であるかがわからない場合がほとんどというなかで、白紙のままであったり、外資との付き合いがほとんどないのに英語表記などを入れては、「もったいない」と言えるであろう。

 裏面には自社の物流サービス、メニューを入れると効果がある。また、せっかくの名刺交換でいただいた名刺を元に礼状を出すことや、お礼メールを出すことで、自社の好感度は大きくアップする。

 かつて、私のクライアント先の営業課長は訪問の都度、自分の名刺に一言添え、秘書を通してトップとの直接面談を試みた。3回目のこと、ようやく、秘書からトップとの面談承諾の連絡が入り、トップ営業が実現した。それから7年が過ぎようとしているが、この荷主との取引は3PL対応までに広がり、いまではこのクライアント先の売り上げ最大荷主となっている。

 最後にもう一つ忘れてはならないのが、名刺の管理である。いつ、どこで、どういう経緯で出会ったというい名刺管理を忘れてはならない。特に、トップ営業、経営者ビジネスの重要性が求められている物流業の営業については、現在の社長、役付き取締役、将来の社長、役付き取締役の名刺は向こう10年、重要な財産となる。

 この点は各自の管理となっている会社が多く、会社としての情報共有化、また共有化財産となり得ていない。足元の活動、ツールにまだまだ多くのチャンスが隠されている。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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