第1回:採算・不採算の岐路

連載トップへ

第1回:採算・不採算の岐路

2006年4月 1日

今回、ご紹介するA運送は年商約10億円、家庭用品資材を扱う荷主K社の荷物を創業当時から運んでいる物流企業である。実は、私はこのK社の物流コスト削減のご協力をさせていただいていた。
  K社では、物流企業との運賃交渉によるコストダウンは終了しており、これ以上の運賃交渉は品質低下につながると判断し、配車の効率化によってコストダウンを図ることになっていた。


配送車両はチャーター契約車両が、1日28台〜30台が配車されており、3社の物流企業と契約をしていた。そのうちの1社がA運送だった。
 私とK社は配車を効率化させることで、1日の配車台数を25台〜26台に減車させることによるコストダウンを狙った。1台/1日3万円で計算しても1日2台減車で6万円、1か月20日稼動で120万円、120×12か月で年間1440万円のコストダウンになるわけだ。
 K社の商品も昨今の世の流れに反さず、少量・多頻度配送が増加していた。そのため、チャーター便の積載率は年々低下の一途をたどっていた。毎日配送を行っている配送先もあれば、売上高も少なく配送回数も1か月1〜2回という配送先もあった。
  我々の改善策は、これらの売上も配送回数も少ない配送先に関しては個建ての大手路線会社に出荷し、薄まったチャーター便の減車を行うことで物流コストの総額を削減していくというものであった。
 我々は、まず配車表を基にルート別、配送先別の採算分析を行った。そこで不採算配送先を数多く扱っていたドライバーはA運送のドライバーばかりであった。(

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

関連書籍のご案内

GoogleAD