第1回:物流コスト削減方法の今までとこれから

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第1回:物流コスト削減方法の今までとこれから

2007年3月22日

はじめまして。

船井総合研究所ロジスティクスグループの東 新一(ひがししんいち)と申します。船井総研がロジスティクスをキーワードにコンサルティング活動を開始し、早いもので13年目になります。

当初は、主に区域の物流会社の方々にマーケティング支援を中心としたコンサルティングをさせて頂いておりましたが、荷主企業の方々より依頼を受けることも多くなったため、現在は5対5のウェイトにまでなっております。

さて、昨今、製造業の方々とお逢いする機会も多く、「どのように物流改善を進めていけば良いのか?」といったご質問も頻繁にあり、今回より4回にわたり製造業の方々を対象に『ロジスティクス改善プロジェクトの進め方』をお伝えします。


【物流コスト削減方法の今までとこれから】

 製造業の方々が物流コストを下げる手法には大きく分けて2通りあります。1つ目は「トータル・エイヤー型」、2つ目は「ディテール・コツコツ型」です。

「トータル・エイヤー型」は、今までの荷主企業の方々がとられていた物流コスト削減方法で以下の6つの特徴があります。

(1)総支払コストを強制的に低減させること
(2)物流条件を変えず、タリフの変更のみを実施すること
(3)物流業には請ける・請けないを迫ること
(4)同業他社との相見積もりによる短期的なコストダウンを図ること
(5)出荷すれば売上といった考え方があること
(6)物流を全体的でなく、部分的にコストを削減すること

です。

確かに今まではそういった手法で物流コストを削減することは可能でした。

しかし、大手物流会社の民事再生などを鑑みた時、既に限界にきているように感じられます。ただ、零細企業のように、管理費を余り必要としないため単価をさらに低減するといった会社があるのも事実ですが、物流品質の維持や安定性には欠ける面があるといったことを十分に意識しなければならず、これからはお勧めしかねる手法と言えます。

一方、「ディテール・コツコツ型」とは、これからの荷主企業の方々に持って頂きたい物流コストの削減手法で、以下の6つの特徴があります

(1)原単位中心にコスト削減を図ること
(2)コスト削減のために物流企業と協業を図ること
(3)賃率と工数を把握すること
(4)集中と分散を上手く使い分けること
(5)返品も受けて、初めて売上とご認識頂くこと
(6)トータル物流コストを削減すること

です。

(1)は社内で輸送・保管・荷役などに対して評価のものさしを持つことを意味しています。例えばトンキロ当たり…作業当たり…〇〇円といったことを指します。

(2)は、日々、業務をされている専門家(お付き合いしている物流業)に意見を聞いてみることも大切という意味です。いろいろとお話を伺っていると、意外と専門家の意見・提案を無視し、折角のコスト削減の宝を無駄にしているケースが見受けられます。

(3)は原価単位をハカル上で大切になるのですが、所要時間当たりの人件費と処理量を把握することです。その値がそれぞれ適正か否かをハカルことも大切になります。

(4)は自前ですべきなのかアウトソーシングすべきなのかを判断することです。昨今の例では物流センターがアウトソーシングされるケースが多くあります。

(5)は返品にも物流コストが必要となっていることをご認識頂くという意味です。商品別に物流費比率(返品物流も含む)を算出することで、無駄な製品の市場供給を減らすことができます。勿論、キャッシュフローにも大きな影響を及ぼします。

(6)は部分最適ではなく全体最適を考えるということです。これは「言わずもがな」といったところです。

つまり、今回お伝えしたかったことは、「一方的にコスト削減を図るのではなく、物流業のことを把握しながらコスト削減を図るといった視点が求められる」ということです。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社船井総研研究所

主なコンサルティング内容は、営業活動支援が主軸である。具体的には営業戦略の立案、新規顧客への営業活動支援、業績向上のための営業組織づくり支援、営業会議の運営支援、営業担当者教育支援などである。

その他の支援メニューとして、荷主企業最適ロジスティクス構築支援、中長期経営戦略策定支援、ISO認証取得支援、人事評価構築支援、ABC分析による業務改善支援などがある。
わかりやすさをモットーにしているため、支援企業からは絶大な信頼がある。

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