第96回:ネット市場が拡大中

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第96回:ネット市場が拡大中

2006年9月10日

 IT革命以降のインターネットの発達で、インターネットビジネスにおける流通を、どのように行うかという課題が近年、急速に浮上してきている。その結果、「流通の中抜き」が、さらに進展するということがしきりに言われている。

 卸売業や小売業を飛び越えて、メーカーが直接、消費者に商品を販売するシステムが、インターネットを介することによって出来上がると考えられたからである。インターネットの普及で流通ビジネスが、大きく変化すると予測されたわけであった。


 実際のところ、卸売業や小売業がインターネットの発達で消滅するということはありえないだろう。しかし、「消費者がメーカーからダイレクトに商品を購入できるシステムがこれまで以上に重要な役割を演じるだろう」ということは否定できない。

 インターネットを介しての流通ビジネスモデルとしては、イーマーケットプレースがあげられる。イーマーケットプレースの主なものとしては、ネットショッピングモール、ネットオークション、ネット取引市場が挙げられる。ネットショッピングモールとは、バーチャルなショッピングモールに出店された仮想店舗が商品データを提供、消費者がインターネットを介して商品を購入できるというシステムである。

 ネットオークションは、ウェブ上に出品した商品について、最高額で購入を提示した買い手が入手できるというシステムである。また、B2Bに特化し、大きな取引を扱うネット取引市場も近年、急速に発達している。そして、物流システムもこうした流通業態の変革に柔軟に対応する必要が出てきているのである。

 一例を挙げると、鋼材業界には三井物産、三菱商事などが出資するネット取引市場「eスチール」がある。鋼材の調達が必要となった企業は、eスチールにアクセスすることによって、必要な鋼材を必要なときに安価で購入することが可能となっている。他方、インターネットビジネスの草創期、すなわち90年の中ごろにおいて、はやくもインターネットを介してのスーパー(ネットスーパー)も登場している。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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