第92回:デファクトスタンダード

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第92回:デファクトスタンダード

2006年8月13日

 標準化は、さまざまな分野で行われている。そして物流活動においても標準化を推進することは、高度なロジスティクスを実践していくうえでの不可欠なインフラとなる。経済産業省、日本規格協会(JIS)などの公認された機関で定められた基準のことを「デジュールスタンダード」、企業間の市場競争の結果決まった基準のことを「デファクトスタンダード」と呼んでいる。


 そして当然のことながら、物流業界にもデジュールスタンダードのほかに、多くのデファクトスタンダードが存在する。デファクトスタンダードとは、企業間の市場競争の結果決まった基準のことを指す。1980年代後半以降、多くの企業がデファクトスタンダードを意識した戦略をとるようになった。企業競争の結果、使用者側にとっては複数の規格が乱立、混在しているよりも、ひとつの標準に収れんされ、単一の規格に統一されることで便益が高くなる。

 物流については物流情報支援システムなどのネットワーク関連分野で業界標準にデファクトスタンダードが入り込んでくる可能性が高い。SCMの構築にあたっては、ERPやWMSやTMSなどの導入も必要となるが、特定のメーカーのパッケージソフトや様式が業界標準となることも十分考えられる。物流におけるシステム製品、ネットワーク製品は相互接続性が重視されることになるので標準化の必要性が極めて高いからだ。

 ただし、いったん確立したデファクトスタンダードが時代の流れとともに、変化したり、他の標準にとって代わられたりすることもある。標準の世代交代が行われるわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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