第90回:3PLビジネスの発展過程

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第90回:3PLビジネスの発展過程

2006年7月30日

 3PLは、1997年4月に閣議決定された総合施策物流大綱によると、「荷主に対して物流改革を提案し、包括して物流業務を受託する業務」と定義されている。規制緩和の流れの中で、1990年12月に施行された物流二法により利用運送が法定化され、3PL事業は可能となっていた。だが、ご存知のように3PLが定着するために荷主企業、物流事業者が解決していかなければならない課題も多く、本格的な導入が相次いで報告され始めたのは近年になってからである。


 日本の3PLビジネスの発展過程について国土交通省は、運送・保管などの個別の業務を提供する「ゼロステップ」、作業レベルでの複数サービスを受託している「第一ステップ」、特定企業からの物流全体の管理・運営の肩代わりを中心とした受託を行う「第2ステップ」、管理・運営を超えた物流の企画・立案を担う受託を行う「第3ステップ」に分けている。いずれかの段階に属す3PL事業者は、増加の傾向にある。

 ただし、1990年代後半に米国からもたらされた3PLビジネスは、日本の場合、まず実践よりもその用語が独り歩きしてしまったという感がある。3PLに対する認識が不十分な形で、輸送業者、倉庫業者、商社、物流子会社などが3PL市場に参入しているのが現状ともいえる。ちなみに、既存の物流事業者のみならず異業種からの市場参入は、日本の3PL市場の大きな特徴ともなっている。

 3PLは米国から日本にそのビジネスモデルが移入された段階で、大きく変化し、日本独特のビジネスモデルに変貌したわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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