第89回:環境汚染と物流活動

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第89回:環境汚染と物流活動

2006年7月23日

 地球温暖化、オゾン層破壊、海洋汚染、資源枯渇などの問題が、地球環境への悪影響を及ぼす地球規模の環境汚染問題として挙げられる。
なかでも、地球温暖化の問題は1992年の「気候変動枠組条約」、97年の「京都議定書」の採択により、世界的な取り組みとして認識されることになった。

 日本では京都議定書の目標計画を法律で位置付け、2008年から12年の平均で90年比6%の温室効果ガスの削減を目指している。運輸部門の二酸化炭素の排出量は全体の20%に相当するので、物流活動における二酸化炭素の排出量の抑制は重要な課題といえる。


 また、物流活動によって、発生源やその影響が特定地域に限定される地域的規模の汚染も生じる。物流活動が引き起こす地域的規模の環境汚染としては、大気汚染や騒音、振動、悪臭、廃棄物などの問題が挙げられる。

  大気汚染に関連する問題としては、トラックなどの排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)、鉛などによる大気汚染がある。周辺住民の健康に悪影響を与える騒音、振動、悪臭などについては、公害防止装置などを導入しているが、物流施設の二十四時間稼働などをめぐって、周辺住民との合意が得られないケースも少なくない。廃棄物に関しては、最終処理場の収容能力が限界に達しつつある状況。物流現場からの排出物や包装材料の引き取りや処理などへの対応の迅速化やゴミゼロ化の促進が望まれる。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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