第86回:注目を集めるVMI倉庫

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第86回:注目を集めるVMI倉庫

2006年7月 2日

 VMIとは売り手が買い手の在庫を管理する方式の在庫連結管理法である。VMIは系列を持たず、ダイナミックな納品形態が可能な欧米で発達した。まず生産拠点に隣接させるかたちで生産者がウエアハウス(物流施設)を用意する。


 次に、部品などの納入業者が自社の資産を生産者の指示のもとに、そのウエアハウスから生産拠点への移動を行い、売り上げとする。VMIを推進することによって、無在庫を目標とする在庫低減が可能となるばかりでなく、物流拠点の統廃合も推進できる。

 ただし、高度なVMIの実践には、これまで以上に緻密なウエアハウスマネジメント(物流施設管理)も必要になってくる。例えば、VMI倉庫のレイアウトには、さまざまな新しい制約が加わる。基本的にVMI倉庫はセットメーカーなどの生産拠点の近くに設けられることになる。そのため3PL企業や物流子会社などが通常、十数社のベンダーの倉庫管理を請け負うことになる。
  したがって、ウエアハウス内では複数のベンダー企業の比較的少量の貨物が管理され、場合によっては保管効率が著しく悪くなる。そこで、そうした事態を回避するために庫内のレイアウトが極めて重要になってくる。さらにいえば、競合他社と保管場所が隣接することを敬遠する企業も多い。

 また、それぞれのベンダーのパレットサイズなどが異なることもあり、自動倉庫の導入が採算に合わないケースも報告されている。VMI倉庫に対する認識を高め、いかにマルチ・ユーザー対応のウエアハウスの庫内レイアウトをコーディネートするかということが重要な課題となってきているわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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