第72回:コアコンピタンス

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第72回:コアコンピタンス

2006年3月26日

 パートナー企業との情報共有を推進することにより、企業はさまざまな業務のアウトソーシング(外部委託)に対して意欲的になる。

 例えば、従来は親会社が同じグループの物流子会社に行なわせていた輸送・倉庫管理業務などは、パートナー企業に外部委託できるわけである。
  同様に製品などの設計や調達、製造、販売などに関しても外部委託が可能となる。
パートナー企業が自社の苦手としている業務を得意とするならば、弱点を補うことができるわけである。


 そしてその結果、自社の得意な業務に専念することができるようになる。
企業の得意としている分野、技術、ノウハウ、独自戦略などのことを「コアコンピタンス」という。
SCMを構築することにより、企業は自社のコアコンピタンスに集中できるようになるわけである。

 例えば、「シリコンバレーの超優良企業」といわれる米国のIT通信機器大手シスコシステムズは製品設計、マーケティング、財務、販売などを除いて、ほとんどの業務を外部委託している。
  コアビジネス以外を徹底的にアウトソーシングすることによって、高度なSCMの構築に成功した。
コアコンピタンスが研究開発ならば、物流や販売などをアウトソーシングすることによって研究部門の質を高められる。
SCMがしっかり構築されていれば、外部委託してある物流や販売の詳細な情報、データも研究開発において活用できる。

 米国ではSCMをスムーズにア入するために企業のコアコンピタンス以外の戦略的なアウトソーシングを請け負う企業も出現し、「ビジネス・プロセス・アウトソーサー」と呼ばれている。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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