第7回:現代物流はビジネスの花形部門

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第7回:現代物流はビジネスの花形部門

2004年12月26日

  平成不況で苦しむ日本企業の再浮上のカギとして、「物流」が注目され続けている。かつて、米国の著名な経営評論家は「物流とは企業コスト削減の最後の辺境だ」と述べた。この言葉に象徴されるように、20世紀の企業戦略で物流の位置付けは決して高いものとは言えなかった。
 企業の花形部門は販売や営業、あるいは広告、企画、宣伝などで、物流が企業活動のキーワードとなるという発想は欠如していたわけである。「いかに運ぶかよりも、いかに売りさばくかの方が重要性は数段上である」というのが一般的な企業常識でもあった。


 しかし、世界経済のグローバル化やそれにともなう規制緩和の急速な展開、さらにはIT革命や環境重視社会の到来などから、従来とは異なる物流システムの構築が求められる時代となった。企業の構造改革のメーンテーマは「物流」なのである。 
 例えるならば、プロ野球で従来軽視されていた中継ぎや抑え投手が重視されてきたように、世界経済の新潮流の中で現代物流はビジネスの花形部門となろうとしているのである。
 ただ、ビジネスで物流が重視されるということは、同時に物流に対する企業の目も厳しくなるということである。物流企業や業界全体が、自らを進化させていく必要もあるだろう。新世紀の最初の十年に「新たなる物流システムの構築」が日本経済再生のキーワードとなってくることは間違いない。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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