第67回:企業秘密の漏洩

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第67回:企業秘密の漏洩

2006年2月19日

 SCMを導入することによって、古い業界の商慣習などを刷新することが可能となるし、リベート制度や委託販売制度を廃止するよい機会にもなる。SCMの導入で情報共有の促進が求められれば、企業秘密が漏えいする危険性も考慮しなければならない。
 それゆえ、契約書などで企業間ルールを明記し、取扱商品の対応などに入念な注意を払うことが必要。そうしたルールの再構築の一連の過程も、旧来の商慣習を改めるきっかけを与えることになる。実際、米国ではインターネットの普及がSCMの業界ワイドの導入を加速させ、商品、商取引の標準化が大きく進展した。


 例えばパソコン業界などは、調達、販売などについてウェブ上でビジネス展開が可能な非営利型の電子商取引市場「ロゼッタネット」をネット上に構築。これが商慣行の標準化に拍車をかけた。商品、商取引、商慣行などが標準化されることで、ワールドワイドでのビジネスが共通のルールで行われるようになった。特注部品などにかかった必要以上の経費も削減されるようになった。
 電子商取引市場の誕生で、サプライチェーンの川上から川下まで、すなわち調達から販売にいたるまで企業情報が共有された。世界レベルで合理化されたルールのもとでまとまったのである。こうした動きが、さまざまな業界に広がっているわけである。さらにいえば、パートナー企業同士の情報共有で業務の標準化も推進されている。結果、各企業は自社のコアコンピタンスに集中できるわけである。(エコノミスト・文化女子大学講師 鈴木邦成)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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