第61回:大型ウエアハウスの建設

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第61回:大型ウエアハウスの建設

2006年1月 8日

 近年、欧米では数兆円という巨大な年金資金がファンドの運用対象として、ウエアハウス(物流施設)事業に注目が集まっている。「ウエアハウスは企業戦略にとって重要度が高い施設であることから、年金などの保守的な資金運用に適している」(海外不動産関係筋)という考え方も強い。
米国のウエアハウスファンド運用会社は3PL企業に巨大ウエアハウスを賃貸して、安定収入を確保するというビジネスモデルを構築してきた。


 他方、現在の日本の物流システムが大きな変革期にあり従来型の多くのウエアハウスはすでに非効率化が顕著な状態に陥っている。だがウエアハウス建設に当たっての土地代も建物建築費もデフレ下では安価な投資となる。それゆえウエアハウス市場の発展性はきわめて高いという読みもある。
 近年のウエアハウス建設については、例えば大型化がキーワードとなっている。米国などを中心に大規模なウエアハウスが相次いで建設されてきた。機械化、IT化の推進により、物流効率、物流ネットワークの集約を図ることが狙いである。超大型ウエアハウスを軸に多くのサプライヤーの多くの商品を多くの小売業に効果的、効率的かつ情報を共有しながら配送することが可能となっている。輸送システムとのリンクをさらに強化するために鉄道の引込み線を設けて複合一貫輸送に対応したSCMの構築が行われることもある。この流れが日本でも出てきたわけである。また二十四時間化や高度なロジスティクスとのリンクも大型施設を活用した場合、ストレスなく実践できる可能性が高いわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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