第58回:物流ビジネスモデルの誕生

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第58回:物流ビジネスモデルの誕生

2005年12月18日

 インターネット上で空き倉庫情報を提供する物流ビジネスモデルとして「イー倉庫」が物流業界、倉庫業界などの注目を集めている。
 倉庫情報仲介システムと引越貨物取次ぎシステムが両軸となり、倉庫、不動産、運送会社の倉庫の移転などに伴う一連の流れに対するサービスがウェブ上で急速に標準化される方向性が出てきているともいえよう。さらにいえばイー倉庫では物流施設のエリア別賃貸料の相場を掲載するなどのサービスも行っている。
 ネット書店大手「アマゾン・ドット・コム」の創業者ジェフ・ペゾスはあらゆる書籍についての情報を網羅することによって巨大なネット書店を構築していった。


 同様にイー倉庫は、あらゆる倉庫情報を自らのサイトに収れんしつつあるようにも思える。イー倉庫に日本全国の倉庫情報が集約しようとしているわけである。
 ネット書店やネットオークションなど、これまでの多くのインターネットビジネスは欧米を発信地とするものだった。そして同時に「日本を起点としてのネットビジネスモデルの誕生は容易ではない」ともいわれてきた。
 ところがイー倉庫は規制緩和の流れの中で倉庫業界の潜在ニーズを掘り起こすことに成功した。
 空き倉庫情報をインターネット上で公開することが業界に多大なインパクトを与えたわけである。
 イー倉庫に限らず、インターネットを活躍の場とする日本式の物流ビジネスモデルが、さらに誕生してくる可能性は相当にある。
グローバルビジネス環境の中で従来の常識は次々に覆されようとしているわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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