第57回:エシロールの世界戦略

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第57回:エシロールの世界戦略

2005年12月10日

 フランスのエシロールインターナショナル社は、世界最大手の総合眼鏡レンズ事業メーカー。眼鏡レンズをはじめ、コンタクトレンズ、眼鏡フレーム、眼鏡レンズ加工機器の製造・販売をワールドワイドで展開している。世界初の累進焦点レンズ「バリラックス」の開発でも有名だ。日本ではニコンと合弁企業を設立。両社の高い生産性、技術力、世界規模の販売網を重層的、多層的に融合し、企業活動における相乗効果を高めている。
 エシロール・グループの工場は本拠地フランスの他に米州、アジアなど世界各地に存在。これまで調達・生産、販売のグローバル化に積極的に取り組んできた。


 従来は同グループのバリラックスによる優位は確固たるものであった。しかし、近年はライバル各社が新技術開発にこれまで以上に力を入れ始めた。眼鏡レンズ業界の競争も激化してきたわけだ。
欧州企業は欧州統合の流れの中で業界再編や関連業界とのアライアンスを活発化させてきた。
 またアジアへの進出も欧州企業のメーンテーマ。90年代にフィリピン、タイ、中国に工場進出し、アジアの生産拠点を強化した。欧州に比べ、格段に安い生産コストが大きな魅力だ。アジアの諸工場で生産した眼鏡レンズを欧州や米州に輸出するわけである。
 以前は、欧州の眼鏡レンズ企業の生産する高級眼鏡レンズはアジア諸国では大量には売れなかった。だが近年の済の急速な成長に伴い、アジア市場でも高級眼鏡を欧米並みに消費できる環境が整ってきた。そしてアジア各国の工場での生産がそのまま同地域の販売にリンクしてきたわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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