第54回:物流不動産ビジネス誕生の背景

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第54回:物流不動産ビジネス誕生の背景

2005年11月20日

 日本では倉庫業は厳しい規制に守られてきた。
 地域的な業務規則、労働者の権利保全などの特殊権益とさまざまな規制が存在し、そのため新規参入は難しかった。「倉庫業界は安定した業界」といわれるがその反面、新しいビジネスモデルが出にくい環境でもあったわけだ。
しかし各種の制度改革により規制緩和が進むと状況は大きく変わってきた。厳格に区別されていた倉庫業と不動産業の垣根が近年はあいまいになってきている。


 例えば、従来は保管のスペースを提供する「倉庫賃貸業」は不動産産業と位置づけられていた。管轄も運輸省ではなく、建設省であり「営業倉庫業」とは一線を画していた。だが運輸省と建設省が統合され、両者の管轄が国土交通省になったことから両者を融合しようという流れが出てきた。倉庫業法における営業行為なのか不動産法によるスペース貸しなのか、はっきりと区別できないケースも目につき始めた。
そしてその流れが「倉庫、物流センターなどの物流施設のトータルマネジメント」、すなわち「物流不動産ビジネス」に発展したのである。
 さらにいえば物流不動ビジネスとは「規制緩和の流れの中で営業倉庫事業者と賃貸倉庫事業者が双方間の垣根をあるときは越えながら物流施設の情報の公開・共有化を推進するビジネス」である。
物流不動産ビジネス市場が拡大してきた理由としては3PLで物流施設のノンアセット化が加速してきたことなどもあげられる。3PL市場のここにきての急速な拡大が、物流不動産ビジネスの成長に密接にリンクしているのである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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