第50回:アジアのイービジネス環境

連載トップへ

第50回:アジアのイービジネス環境

2005年10月23日

 アジアのインターネット市場の拡大が続いている。特に成長が目覚しいのが企業間で行われるB2B(企業間電子商取引)市場である。
 現在、シンガポールや香港などでは、イーマーケットプレースやネット取引市場などが激増し、大きな注目を集めている。最近はこの分野での中国の躍進も目を見張るものがある。ちなみにアジア型の特徴としては「総合的な調達支援サービスを提供する事例が目立つ」ということがあげられる。


 イーマーケットプレースやネット取引市場とは「インターネット上にハブ調達物流システムをオープンなかたちで構築するビジネスモデルのこと」である。
 シンガポールや香港をベースにしたイーマーケットプレースの場合、両国・地域が多国籍企業のアジア地域を統括する金融・物流拠点としての機能を有しているということが大きく影響している。すなわちさまざまなアジアワイドの産業のネットビジネス化が進行しているわけである。
 同時に、東南アジア諸国の巨大企業もシンガポールや香港でのB2Bビジネスに積極的に乗り出している。例えば、マレーシアの有力財閥「サムソン・グループ」やインドネシアの巨大コンツェルンである「シナルマス・グループ」はシンガポールに物流・IT拠点を置いてB2Bビジネスを展開している。また香港の大手B2B企業「グローバルソーシズ」は米国の有力ビジネス誌『フォーブス』の「ベストB2B」にも選ばれている。
 アジア各国の情報・物流インフラを中軸にネットビジネス市場は大きく成長しようとしているわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

関連書籍のご案内

GoogleAD