第41回:欧州の物流グリーン化

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第41回:欧州の物流グリーン化

2005年8月22日

 欧州企業は物流のグリーン化にも日本以上に積極的に取り組んでいる。
リサイクル、リユースなどの回収物流を重視し始めたわけである。その結果、注目され始めたのが環境循環型物流のマーケットだ。21世紀の基幹産業となるのではないかともいわれている。
 リサイクル・リユースのプロセスは「リカバリーチェーンマネジメント」(リサイクル・リユース連鎖管理)と呼ばれている。欧米の最新物流理論では、SCMとは分けて考えられるようになっている。


 もちろん実践面でも「グリーンロジスティクス」(環境戦略物流)は、日本の数歩先を行っている。欧州の自動車メーカーはすでに廃車の無料回収システムを構築。物流をこれまで以上に巨視的に展望し、商品の回収から解体・分別、さらにはリサイクル・リユースにいたるプロセスを企業物流システムのなかに組み込もうという流れが加速してきている。
 例えば、ドイツの電子機器大手シーメンス・グループは、コンピュータ部門「シーメンス・コンピュータ・システムズ」を富士通の欧州現地法人と統合。リサイクル・リペア物流システムの再構築に乗り出している。同社独自のノウハウでリカバリーチェーンマネジメントを実践。廃品として回収された中古パソコン、あるいはその部品についての諸情報、注文数などをデータベースに納めている。コンピュータによる需要予測に基づいてリサイクル在庫を決定している。ちなみに日本国内ではまだ、こうした緻密なリサイクル物流システムは実践されていない。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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