第36回:SCM支援ソフト

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第36回:SCM支援ソフト

2005年7月17日

 ご存知のように調達、生産、販売、財務などのサプライチェーンの諸活動を改善するには専用のパッケージソフトが使われている。SCM支援ソフトの開発というと制約理論の生みの親であるゴールドラット博士が有名だ。
  ただし、あまり知られていないが使いやすい支援ソフトを開発し、広く普及させたのは、在米インド人実業家のサンジブ・シドゥ氏だった。
 90年代初頭、サンジブ・シドゥ氏はビジネスパートナーのケン・シャーマ氏と協力して独創的なアイデアをもとにSCM支援ソフトを作り上げた。独自に開発した人工知能理論をベースにしたアルゴリズムを制約理論と組み合わせたのだ。


 ちなみに場所は米国のダラス市内。シドゥ氏が事務所兼用で使っていたアパートの一室であった。
もちろんこれが世界中の企業経営に大きな影響を及ぼすとは当初、思ってもみなかった。シドゥ氏の発明したソフトはいくつかの企業に採用され、大きな成果をあげた。会社はたちまちSCM支援ソフトの有力企業となった。これがSCM支援ソフト「RHYTHM」だ。
 シドゥ氏の発明したSCM支援ソフトによって生産計画などが大幅に改善されていった。
それまでの生産計画は感や経験に頼っていた。だがソフトの導入で複雑な生産計画の管理も可能になった。
そしてIT革命で、SCM支援ソフトはさらに発達した。ハード、ソフト面ともにパソコンの性能がめざましく向上したことで多くの企業がSCMの構築に乗り出したわけであった。
 インド人実業家のアパートの一室での努力が世界の経営常識を激変させたのだった。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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