第34回:プロジェクトマネジメント

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第34回:プロジェクトマネジメント

2005年7月 3日

 企業システムを刷新するためにプロジェクト方式を導入する企業が増えている。
現場サイドからの物流改善ではなく、トップダウンで物流マネジメントを推進することもこの例に当てはまる。
SCMやキャッシュフロー経営もプロジェクト化により円滑に導入できるというわけだ。こうしたプロジェクトのプロセス管理は「プロジェクトマネジメント」(PM)と呼ばれ、標準化されている。
  国際標準規格機構(ISO)も規格として制定。認証制度も整えられた。各国のMBA(経営学修士)コースなどのカリキュラムにも組み込まれ、企業人の必修事項ともなりつつある。


 しかし、欧米式のトップダウン方式のプロジェクト組織が日本企業の土壌に合うかどうかは、現状では未知数だ。実際、トヨタのかんばん方式やセブン‐イレブンのドミナント戦略は徹底した現場主義の産物だった。
  実務教育が徹底し、社員の意識も高い日本企業の場合、ボトルアップの方が、成果が出ることも多い。プロ野球でもトップダウン方式さながらにオーナーがトレードや采配にやたらと口を出す球団は選手の士気も上がらず、成績が低迷するケースが目立つ。確かに組織が硬直化した大企業の場合、物流改善などでプロジェクト方式が大きな効果を上げることもある。
  だが、会社の規模がそれほど大きくはない場合、プロジェクト化することは逆に大仕掛けとなる。例えるならば大砲で小さな標的を撃つようなもの。体系化された欧米の経営手法は魅力的だ。だがオールマイティーというわけではない。導入に適切な状況かどうかを十分に吟味する必要があるのだ。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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