第33回:VMIとJMI

連載トップへ

第33回:VMIとJMI

2005年6月26日

 日中など東アジアワイドでの物流でVMI(ベンダー・マネジド・インベントリー)への関心が高まっている。
  VMIとは製造業、卸売業などのベンダーが小売業に代わって在庫を管理。必要に応じて商品補充を行う物流改善の手法だ。日本国内では小売業配送センターなどで導入が進んでいる。
 VMIは、日中物流でも注目され始めている。例えば台湾の受託製造会社。上海の工場に生産指示、そこから日本国内に出荷、輸入される。日本国内への輸入は保税特区経由だ。この際、国内のユーザー企業に生産所要在庫が搬入されるまでは台湾ベンダーの資産として扱われる。日本企業のプルシグナルを受けて、搬入ごとにユーザー企業名義で輸入通関を通すわけだ。法的な制約もあるのでスムーズにいかない場合もある。だが、この基本パターンが日中物流の回転を加速させている。


 ただし、「VMIでベンダーは悲鳴を上げている」という意見もある。企業コラボレーションの限界を指摘する意見も根強い。そこで欧米で注目を集めてきたのが、JMI(ジョイント・マネジド・インベントリー)だ。VMI以上に取引企業が相互間の理解に努めることにウエートが置かれている。そしてJMI導入の代表的な企業がウォルマート。本社のあるアーカンソー州には主要ベンダーが事務所を設けて、共同で物流マネジメントに取り組んでいる。
 もちろん、JMIもより一層洗練させる必要がある。現状が完全というわけではない。それゆえ当然ながら、日中物流もこの流れの中で今後、さらなる激変が予想される。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

関連書籍のご案内

GoogleAD