第3回:欧州のディーゼル車情勢

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第3回:欧州のディーゼル車情勢

2004年11月28日

 欧州をクルマで走っていると、ディーゼル車が街の景色に自然に溶け込んでいることに気が付く。
「欧州ではディーゼル車が主流というが、それは誇張された話だ」と、日本では言われることがある。
 しかし、くわしく調べてみても、地球温暖化対策などから欧州各国がディーゼル車の秘める可能性を高く評価していることは否定できない。
 欧州でディーゼル車が米国や日本以上に推進される理由の一つとして、「欧州随一の物流大国であるオランダが、ディーゼル積極派である」ということが挙げられる。


 オランダは国土の多くが海水面よりも低いということで知られている。欧州最大の物流拠点であるアムステルダムのスキポール空港やロッテルダム港は、地球の温暖化が進み、南極の氷が溶け出せば、国土の存在自体が危うくなりかねない。オランダにとって「ガソリンよりディーゼル」というのは、当然の選択なのである。
 ディーゼルのさらなる技術改良に積極的に取り組む企業もオランダには多いし、物流行政や企業のグリーンロジスティクス(環境戦略物流)も当然ながらディーゼルを基軸に進められている。また、隣国のドイツの自動車メーカー各社は、高性能のディーゼル車を欧州市場で競って販売している。欧州では「ディーゼルを進化させることで環境に対応していこう」という動きが顕著なのである。
 無論、ディーゼル車にまったく問題がないと言いたいわけではない。だが、ディーゼルのメリットを頭ごなしに否定していては真の環境戦略物流など生まれてこないのではないだろうか。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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