第243回:宇宙から個人までの物流

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第243回:宇宙から個人までの物流

2009年12月18日

 日本企業約100社が総額680億円をかけて開発した無人宇宙貨物船「HTV」が国際宇宙ステーションに物資を運び、さらに「帰り荷」として、使用済みの実験関係用品や宇宙飛行士の排泄物などを積み込み、大気圏に再突入した。HTVは動脈、静脈の双方の物流について重要な役割を担ったわけである。

 宇宙で人類が本格的に活動するのは、おそらく来世紀以降になるだろう。ただ、その時代が来れば、ロジスティクスの考え方も宇宙空間全体にまで広がっていくことになる。「必要なモノを必要なだけ、必要なときに供給する」というシステムを、宇宙においても創出していくわけである。

 宇宙規模での物流、すなわちスペースロジスティクスに注目が集まる一方で、個人向けのトランクルームの普及など、パーソナルロジスティクスへの需要も高まっている。

 ワイン、衣服、絵画、書籍などの貴重品を、しっかりとした温度管理、湿度管理を求める利用者が増えてきているようである。パーソナルユースに対応してのWeb経由での在庫管理サービスも行われている。個人レベルでも、高いレベルの保管システムが、これまで以上に必要とされ始めているともいえよう。

 ロジスティクスの考え方は軍事を起点に、それがビジネスフィールドへの広がりを見せて発展してきたが、これからはさらにその汎用性が広がろうとしているともいえる。さまざまな分野でロジスティクス思考の視点から、これまでのやり方を見直し、効率化、高度化を進める動きが今後、強まっていくのではないだろうか。


 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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