第238回:マテリアルフローコスト会計

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第238回:マテリアルフローコスト会計

2009年11月 6日

 マテリアルフローコスト会計(MFCA)とは、ドイツのアウグスブルク大学のB・ワーグナー教授らにより創案・開発された環境管理会計の手法で、環境の視点から企業の会計システムの再構築を目指すものである。

 企業活動に投入される物質(マテリアル)がストックされる「物量センター」におけるマテリアルコスト、システムコスト、輸配送・収集運搬・廃棄物処理コストを情報システムとの連動のもとに可視化、測定、認定するのである。マテリアルのフローとストックに注目した包括的な会計手法である。

 経済産業省の環境ビジネス発展促進等調査研究(環境会計)の作業部会「マテリアルフローコスト会計検討小委員会」の調査プロジェクトにより、日東電工、田辺製薬などの導入実験が報告されている。

 MFCAの導入実験で明らかにされたことは、「従来はロスが少ないと考えられていた工程でも、実際はマテリアルロスが相当量、発生しているケースなどが存在する」ということである。

 これまでとは異なる視点から分析を試みることで、企業内のマテリアルのフローとストックが明らかにされ、さらなる環境負荷の低減が進むことになるわけである。

 MFCAの活用で、これまでできなかった改善提案を行うことも可能になるわけである。そしてMFCAの導入が本格化することになれば、動静脈の物流コストに関しても「環境負荷をいかにかけないかたちでコスト低減を行っていくか」という視点を踏まえての議論を、より活発化させていく努力が求められることになるだろう。


 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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