第237回:第26回日本物流学会全国大会

連載トップへ

第237回:第26回日本物流学会全国大会

2009年10月30日

 第26回日本物流学会全国大会が愛知学院大学で開催された。

 今年度の統一論題は「物流・ロジスティクスにおけるCSR」で、基調報告が名古屋市環境局地球温暖化室長が行い、ついで基調講演はセイノー情報サービス代表取締役社長の臼井功氏が行った。また統一論題、自由論題の双方の研究報告会も行われ、多くの報告が盛況裡に行われた。

 ところで、学会とは学術的な研究発表の場で本来、共通の認識、研究領域にある大学などの研究者がお互いの研究内容を評価、検証し合うことを主目的としてきた。

 しかし、近年は日本物流学会などでは産学連携の研究、交流などを模索する流れの中で、実務家の入会も増えている。それにより新たな交流の機会やビジネスチャンスの創出も少なからず見受けられるが、それゆえに学問の質が高まっているかというと、必ずしもそうとはいえないように思える。

 その是非はともかく、産学協同、産学連携の流れの中で、学術学会の性質は大きく変化しつつあるように私には見受けられる。

 もっとも物流は「オーラルセオリー」であり、これまで学術的な理論を体系立てて構築するという点については、おざなりになっていた面もある。

 実際、「物流」と「ロジスティクス」がどのように異なり、ロジスティクスの持つ戦略性とはどのようなものなのかということを学術的な視点から、きちんと説明できる人は決して多くはない。実用的な物流を側面から強化する学問として、より高いレベルで昇華させる方策を物流の研究者は考えなければならない時期に来ているといえよう。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

関連書籍のご案内

GoogleAD