第235回:米国の廃棄物処理事情

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第235回:米国の廃棄物処理事情

2009年10月16日

 米国の廃棄物処理の規制は、「資源保全回収法」を軸にしている。米国の資源保全回収法では有害廃棄物の管理について、排出事業者、収集運搬事業者、中間処理事業者、一時保管事業者、最終処分事業者などを規制の対象としている。

 なお、「一般廃棄物」「産業廃棄物」という分類方法は日本式のやり方で、欧米では廃棄物は「有害廃棄物」と「非有害廃棄物」に分類されている。「有害廃棄物の管理」という視点に気を配りながらの、廃棄物処理システムの構築が行われてきたわけである。

 これは、日本以上に有害廃棄物の処理が不正に行われた事件が歴史的に社会から注目されたからでもある。

 有害廃棄物とは濃度、物理的、化学的性質、感染性などによって不適切に処理、保管、処分などが行われた場合、人体に危害が与えられるリスクなどがあると判断された廃棄物のことを指し、米国環境保護局のリストに記載されているか、あるいはそれに準じる廃棄物のことをいう。可燃性、腐食性、反応性、毒性が高い廃棄物などがその対象になる。

 有害廃棄物の排出から最終処分までのマニフェスト制度、最終処分施設の操業許可などについても資源保全回収法で定められている。
 なお、非有害廃棄物は有害廃棄物以外の廃棄物になる。非有害廃棄物の年間排出量は年間で約110億トンに達している。

 もちろん、非有害の都市廃棄物の収集運搬、中間処理、最終処分についても広く民間に業務を委託している。静脈物流の総合的なコンサルティングを行う市場も充実しているというわけである。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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