第230回:トップマネジメントと物流コスト管理

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第230回:トップマネジメントと物流コスト管理

2009年9月 4日

 物流コストを単に削減するだけでなく、「いかに低コスト体質を維持していくか」ということはきわめて重要である。そのためには、物流コスト管理のできる社内体制を構築しておく必要がある。

 さらにいえば、物流コストの削減は、物流コストの可視化だけでは不十分である。物流部などの現場起点の改善には限度がある。根本的なシステムの変更が必要なケースも多々ある。したがって経営トップにも物流について高度な判断力が求められることになる。

 それゆえ役員レベルで物流のトップマネジメントを経営トップの視点から行う物流執行役員(CLO)を設ける企業も増えている。

 例えば、入出荷、ピッキング、検品などの作業のコストがかかる要因には、物流センターなどの施設が手狭になっている、あるいは老朽化しているといった理由も考えられる。中元・歳暮シーズンなどの季節波動が大きい場合、人員を増やしてピークに対応しても、施設が老朽化しているために無理が出てくることもある。そうしたケースでは、拠点統廃合を検討する必要があるかもしれない。

 つまり、トップマネジメントの視点から新物流センターの建設などの判断が求められることになるわけである。現場レベルではなく経営レベルで物流コスト管理が行われていなければ、拠点統廃合を迅速に行うことは不可能だろう。

 無論、物流部門の強化についても積極的に取り組む必要がある。物流部員が日常的な受発注、入出荷処理などだけで手いっぱいという状況は、現代物流の重要度を考えると正常とはいえないわけである。


 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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