第226回:リスト規制とキャッチオール規制

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第226回:リスト規制とキャッチオール規制

2009年8月 3日

 輸出貿易管理令、外国為替令では、輸出管理に対する規制はリスト規制とキャッチオール規制とに分けられる。リスト規制とは武器、あるいは軍事用途にも転用可能な高度汎用技術品の輸出について、品名をリストアップして行われている規制のことを指す。

 その対象は全世界向けの輸出となる。用途や需要者に関係なく、該当する輸出品については経済産業大臣の許可が必要になる。

 これに対して、キャッチオール規制(全品目輸出管理制度)とは食料品、木材などの一部の輸出品を除いた全ての輸出品について、欧米主要国など26か国の「ホワイト国」 を除く全世界が対象となる。用途、需要者によって許可の要否が決定される。汎用品が大量破壊兵器に転用されるリスクなどが懸念されているのである。

 そして今後、キャッチオール規制に対応した輸出管理体制のさらなる強化が必要になってくることは確実である。

 グローバル化の流れの中で「どのような素材、部品、製品などが、どのような目的で、どのような需要者に輸出されるのか、武器などに転売、転用されるリスクはないのか」ということを入念にチェックできる企業システムの構築が重要になってくるのである。

 汎用品についても「その用途や需要者によって、大量破壊兵器あるいは、その一部に転用されるリスクがある」というキャッチオール規制の趣旨を強く認識しておかなければならないわけである。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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