第225回:輸出入管理の強化

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第225回:輸出入管理の強化

2009年7月24日

 米国では9.11以降、テロ対策強化の視点からサプライチェーンセキュリティーの管理体制の強化を進めている。

 その一環として2007年には「100%貨物スキャン法」が成立し、「エックス線検査装置と放射性物質検知装置を組み合わせた非接触型検査装置を使い、外国港湾において船積み前に、すべての米国向けのコンテナ貨物の検査を行うこと」が決まっている。同法は2012年7月までに実施されることになっている。コンテナ全量検査を義務化するというかたちで、諸外国に米国向けの輸出管理を徹底させるという発想である。

 「コンテナの全量検査は基本的に無理のある考え方で、年間1200万個のコンテナを逐一、海外港湾で検査すれば、国際物流は阻害され、荷主のコストは莫大なものになる」とも指摘されているが、サザンプトン港(英国)などでは、すでにテストプログラムが実施されている。全ての米国向けコンテナのスキャニング、画像及び情報の米国への送信、放射性物質検知装置がアラームを発した場合の対処方法についてのテストが行われているのである。

 同時に、物流のグローバル化の進展により、輸出についても国際的な枠組みを強化する動きも出てきている。

 米国の製品、あるいは米国由来の技術を用いた製品について、社内輸出規程を厳格化する傾向が強まっている。

 米国企業のみならず日本企業に対しても、米国法に対応した輸出管理体制の構築が求められているのである。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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