第220回:グリーン調達の進展

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第220回:グリーン調達の進展

2009年6月18日

 さまざまな荷主企業が環境負荷の小さな素材、部品、完成品などを調達するグリーン調達、グリーン購入を進めている。それらを推進することでリサイクル、リユースのマーケットに大きな刺激を与えることになる。

 資源の再生利用にあたっての大きな課題は「生産計画が通常の製品のようには立てられない」ということである。

 ある再生品の需要が大きいとわかっていても、それを自ら生産することはできない。廃棄物として排出されるのを待ってから、リサイクル処理しなければならないからである。

 ある廃品について「需要があるはず」と見込んで集めても、需要が思うように伸びなければ当てがはずれてしまう。しかも万が一、会社が倒産するようなことになれば、集めた廃品の処理が適正にできないという事態が発生するリスクも出てくる。

 逆に需要が高まっている際に思うように入手できないとなれば、ビジネス機会損失につながりかねない。またユーザーとしては、そのリサイクル品が安定的に供給されないことに不安を感じるかもしれない。

 こうしたリスクを可能な限り回避するには、廃棄物の排出量やそのリサイクル需要について、より正確に予測できるシステムの開発なども望まれる。

 たとえば、ある欧州の電子機器大手メーカーは廃品として回収された中古パソコンやその部品についての諸情報、注文数などをデータベースに納めている。今後、こうした「リサイクル在庫管理システム」の構築もさらに進んでいくことになるだろう。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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