第22回:リコーの環境物流戦略

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第22回:リコーの環境物流戦略

2005年4月10日

 欧州では近年、「リカバリーチェーンマネジメント」(循環連鎖管理)という考え方が注目を集めている。
日本では物流グリーン化への取り組みということでは、リコーの戦略が有名だ。
  リコーの企業物流戦略ではリサイクルやリユースだけではなく、調達、生産、商品の流通という正方向の物流においてもグリーン化の網がくまなく戦略的にかけられている。同社は欧州の環境格付け機関から「エレクトロニクス企業でナンバーワン」という認定も受けている。


 リコーの環境戦略の中核ともいえるのが、100%廃棄物をリサイクル・リユースできるシステムを持つゴミゼロ工場だ。
ゴミ処理を充実させることに加えて、「ゴミを発生させないシステム」を構築することも重視されている。工場の廃棄物には「仕入れで生じるゴミ」(入口のゴミ)と「生産で生じるゴミ」(出口のゴミ)がある。
  「仕入れで生じるゴミ」とは購入した生産原料とともに詰め込まれてくる梱包材などのことである。これらは、いったん開封すればその瞬間からゴミとなる。
 「生産で生じるゴミ」とは製品が出来上がった段階での廃棄物などのことである。これに関してはかなり神経を使って処理しても、「仕入れで生じるゴミ」にまで目が届かないという企業も多い。だがリコーは「仕入れで生じるゴミ」の追放を徹底することによりゴミゼロ工場を実現させた。そして静脈物流部門のコストを大幅に削減することに成功したわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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