第218回:ライフサイクルインベストリー分析

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第218回:ライフサイクルインベストリー分析

2009年5月 7日

 静脈物流の高度化をふまえ、ライフサイクルインベントリー分析の充実も必要になってきている。ある製品が出来上がるまでにはさまざまな環境負荷がかかる。

 原料・資材・部品などの調達、製造、流通、使用、リサイクル、廃棄という一連のプロセスでは相当な環境負荷が発生する。その一連のデータを収集、分析することをライフサイクルインベントリー分析という。

 ライフサイクルインベントリー分析では廃棄・リサイクルの処理方法、作業手順ごとに環境負荷を算出する。同分析を行う目的は、製品や製法などの改善ポイントを環境負荷低減の視点から考えることなどにある。

 物流、廃棄物処理、リサイクルなどのプロセスを検討したり、環境にやさしい代替製品の選定を行ったりすることも視野に入れられている。

 たとえばペットボトルを考えると、ボトル原料化、他用途での利用、単純なリユースのそれぞれのシナリオについて、ライフサイクル全般の環境負荷を計算していく。

 その結果を比較、検討することで、もっとも環境負荷の低い選択肢を合理的に採用することができるのだ。その分析をふまえたうえで、戦略的な廃棄物処理・静脈物流マネジメントを行うのである。

 環境負荷は、川上の工程で生じた不都合を川下の過程に押しつけることで大きくなる。再生利用についての配慮がまったくない設計ならば、リサイクル工程での負荷は多大なものになる可能性が高くなる。そこで最上流から循環型システムを意識した製品開発が必要になるのだ。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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